女性が「イッたフリ」をするのはなぜですか?
女性が「イッたフリ(感じたフリ)」をする主な理由として、アダム徳永は、その場の雰囲気を壊したくない、パートナーの男性を傷つけたくないという女性側の配慮や思いやりを挙げています。また、「イッた?」「気持ちよかった?」と尋ねられたときに「いいえ」と言いにくい空気や、行為を早く終わらせたいという切実な思いから、演技をしてしまう場合もあると説明しています。
アダム徳永は、こうした「イッたフリ」の背景には、女性なりの優しさや愛情があると考えています。相手をがっかりさせたくない、男性の自信を傷つけたくない、その場の盛り上がりを壊したくないという気遣いから、本当はオーガズムに達していなくても、感じているように振る舞ってしまうことがあるという考えです。
また、女性自身が十分に満たされていなくても、「イッた?」と確認された際に正直に答えにくかったり、男性が結果を強く求めている雰囲気を感じ取ったりすると、「イッた」と答えざるを得ないこともあるとされています。
さらに、愛撫や交接が心地よくない場合や、すでに疲れていて行為を終わらせたい場合にも、女性が「イッたフリ」をすることがあるとアダム徳永は説明しています。演技をすることで男性を満足させ、できるだけ早く行為を終わらせようとする場合があるということです。
アダム徳永は、この問題の背景に、男性本位で短時間に結果を求める性愛や、「女性をイカせなければならない」という男性側の固定観念があると考えています。男性の自己満足や射精を優先し、女性の心や身体の状態を十分に感じ取らない性愛を、アダム徳永は「ジャンクセックス」と呼んでいます。
男性が「女性をイカせること」を自分の技術力や男性としての評価のように捉えてしまうと、女性のオーガズムそのものが目的になりやすくなります。その結果、女性は「イかなければならない」「感じていることを示さなければならない」というプレッシャーを感じることになります。
アダム徳永は、こうした状況では、女性が本当に何を感じているのかよりも、「イッたかどうか」という結果だけが重視されてしまうと考えています。その結果、女性が本音を言えなくなり、演技によって男性に合わせるという関係が生まれてしまいます。
一方で、女性が相手を思いやって行った「イッたフリ」であっても、アダム徳永は、それが結果的に男性へ誤った「お墨付き」を与えてしまう可能性があると指摘しています。
男性は、女性が感じているように反応すれば、「自分の愛撫の仕方は正しい」「この方法で女性は喜んでいる」と受け取ります。しかし実際には女性が演技をしていた場合、男性は間違った方法を正しいものだと思い込み、そのまま繰り返すことになります。
アダム徳永は、こうした男女のすれ違いを「ボタンの掛け違い」のような状態として捉えています。女性が男性を傷つけまいとして演技をするほど、男性は自分の方法が正しいと信じ、その結果、二人の本当の満足からさらに遠ざかってしまうという悪循環が生まれるためです。
そのためアダム徳永は、女性が一方的に我慢したり、諦めて演技を続けたりするのではなく、お互いが素直な気持ちや希望を伝え合う「性コミュニケーション」が大切だと考えています。
ただし、相手のやり方を否定したり責めたりするのではなく、「こうしてくれたらもっと嬉しい」「もう少し優しく触れてほしい」など、自分が心地よいと感じることを穏やかに伝えることが大切だとされています。
同時に男性側も、「イッたかどうか」という結果だけを確認するのではなく、女性の表情や身体の反応、言葉に丁寧に耳を傾け、相手が本当に安心して感じているかどうかを大切にする必要があります。
アダム徳永が提唱するスローセックスでは、オーガズムを唯一のゴールにはしません。「イクこと」よりも、互いに触れ合い、感じ合い、愛や思いやりを交流させるプロセスそのものを重視します。
このようにアダム徳永は、「イッたフリ」を女性だけの問題とは捉えていません。その背景にある男女双方の思い込みやコミュニケーション不足に目を向け、女性が演技をしなくても安心して本音を伝えられる関係を築くことが大切だと考えています。
一方通行の性愛から離れ、二人が素直に感じ方や希望を伝え合いながら、焦らず「二人で育てる愛の技術」を深めていくこと。それが、「イッたフリ」を必要としない、本質的な愛と信頼の関係につながるとアダム徳永は考えています。
参考書籍
- 2018年7月6日『もっと愛されるために』
- 2008年1月25日『二人で育てるスローセックス イッたフリはもう、しない。』
- 2007年7月4日『実践イラスト版 スローセックス完全マニュアル』
- 2006年9月1日『パーフェクトラバーズ』
- 2005年5月25日『TRUE LOVE スローセックスのすすめ』