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ある会社の社長が、
こんなことを言っていました。

「私は、将来有名になって、
自分が映画化されたときのことを考えて、
毎日の生活を送っています」と。

その社長は自分が立派な
人物になるために、
魅力ある人物の役を
演じているというのです。

「だからいつ撮影の話が来ても、
準備OKなんですよ」と笑います。

あなたは思うかもしれない。

演技は演技で、
それはほんとうの自分じゃないと。

よく歌詞などにも出てきますよね、
「ほんとの自分でいるために」とか
「ほんとうの自分でいたいから」とか。

では、ほんとうの自分とは
何でしょうか。

あなたは恋人や好きな人の前で、
わざわざその男性に嫌われるような
ことはしないでしょう。

一人だったら、
つい無視してしまう信号を
相手が一緒だときちんと守ったりします。

一人だったら怒ってしまうだろう
店員のぞんざいな態度も、
笑顔で許してあげたりします。

そんなときのあなたは、
社会常識のある女性、
思いやりのある女性の役を
演じているのです。

その自分は、
ほんとうの自分では
ないのでしょうか。

たとえばあなたが百貨店の店員で、
身勝手で横暴なお客から
クレームを受けたとします。

あなたは内心
「このバカ野郎、むかつく!」
と思うでしょう。

でもお店に落ち度があったことは
事実なわけですから、
店員としてお客に対して
ていねいに謝りながら、
応対するのではないでしょうか。

そのときのあなたは、
責任感のある店員の役を
演じているのです。

その自分もほんとうの
自分ではないのでしょうか。

自分の本音や
本性を丸出しにして
世の中に生きれば、
角がたち波風がたちます。

だから世間では、
必要なときはその場にふさわしい
建て前の自分を演じながら、
生きていくものなのです。

そしてそのときの自分も
まごうことなき、
ほんとうの自分です。

自分の本音、
本性と言いましたが、
実際には本音、
本性と言われるものの多くは、
ただ単に動物としての人間の
未熟な本能であると言えます。

大人の人間としての礼儀やマナー、
人を思いやるこころ、
美しいものを美しいと思える感情、
意思を強く持ってがんばれる忍耐力などは、
あなたが赤ん坊のときから
持っているわけではありません。

親や先生から教えられて、
まわりの友だちとの生活から学んで、
演じてそして身につけたものです。

あなたが思うこと、
行動すること、
そのすべてが
ほんとうのあなたなのです。

ところで美しい女性に
なりたいと願うあなた。

あなたが美しくなるためには、
自分の理想とする美しい女性の姿を、
演じることが必要です。

そのように振る舞うことで、
それがほんとうの
自分になっていくのです。

冒頭の会社の社長ではありませんが、
「自分の日々の生活を
ドキュメンタリー番組として
撮影しているのだ。」

そう思ってブラウン管に映したい
理想の自分を演じて
生活してみませんか。

映画のヒロインに選ばれたつもりで、
生きてみるのです。

習いごとはまず形から入ります。

お茶でも踊りでもお芝居でも、
まず形から入り、
その精神を受け継ぐのです。

自分が理想とする女性の姿を、
そのように振る舞うことで、
その美しさを
受け継ぐことができるのです。

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