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以前妻と『シンデレラ』の
映画を観たことがあります。

以下はその映画の話ではなく
その時の出来事ついての話です。

二人静かに映画を観ていると
後ろの観客が妻の座席を蹴るのです。

妻は最初不快に思いつつも
遣り過ごしていたようです。

しかしあまりに頻繁なので
妻はたまらず私に
そのことを伝えてきました。

それまで映画に夢中だった私も
後ろを振り返り注意を促しました。

しばらく収まったかのように
思われたのですが、
程なくしてまた座席を蹴るのです。

今度は私の席まで感じるほどに
強く押し込むような圧力なのです。

どうやら足が長くてたまたま
座席に足が当たったのではなく
作為的に蹴っているようなのです。

実は後ろの観客は
長身の男性ではなく
若い女性です。

しかも妊婦さん。

どうして彼女はわざと
座席を蹴るのでしょうか。

これはあくまでも私の推測です。

私と妻はとても仲良く
映画も手をつなぎ
寄り添うようにして観ています。

ときに相手の頬に
キスもします。

自然と幸せな気持ちを
伝え合うのです。

実は後ろの女性は
その幸せな様子に
腹を立てたのです。

たぶん後ろの妊婦さんは
なんらかの事情で
幸せではなかったのです。

人の幸せを目の当たりにして
許せないほどの怒りがこみ上げたのです。

そして感情を抑制できず
座席を蹴り続けたのです。

以前我が子を檻に入れて
殺してしまった事件がありました。

常識では考えられないことです。

現代はそんなことが起こるのです。

人は自分が幸せでいると
人の幸せも喜ぶことが
できます。

しかし自分が不幸だと
人の幸せを喜べないのです。

喜べないどころか
妬みや嫉妬・怒りすら
覚えるのです。

これが人間の自然な
感情の発露なのです。

私たちは平和な世界を願います。

そのためには一人一人が
幸せに生きるということが
なによりも大事なのです。

それが個人としての責任です。

妻と手をつなぎ家路を歩く道すがら
幸せであることの大切さを
改めてかみしめた次第です。

アダム徳永