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★男は女を知らない(前編)

日付: 2017年10月31日

12月上旬に講談社プラスα新書から
新刊がでます。

タイトルは
「男は女を知らない」
です。

今回その前書きを二回に分けて掲載します。

☆☆

まえがき

私は「スローセックス」を提唱し、
男女の理想とするセックスの
啓蒙活動を続けてきました。
なかでも『スローセックス実践入門』(講談社+α新書)は、
ベストセラーとなり多大な反響を呼びました。

あれから早10年。
おかげさまでスローセックスは
静かに浸透し普及しつつあります。
私にとってなによりの喜びです。

私は、射精を目的とした
男性本位のセックスを「ジャンクセックス」と
呼んで批判してきました。
前戯もそこそこに挿入し、
激しいピストン運動をして果てる。
女性の性器を借りたマスターベーションであり、
男性の性欲処理のための稚拙なセックス、
それがジャンクセックスです。
女性がこんなセックスで
気持ちよくなれるはずはありません。
しかし、かつてはそれが「フツー」でした。

スローセックスはそれとは対極に位置する、
まさに男女が双方向に、
カラダを通して愛し合うためのセックスです。
男女がいたわり合いながら、
ゆっくり時間をかけてともに
官能の絶頂に到達するための考え方とメソッドです。

私は、「スローセックスは神さまからのギフトである」
と言っています。

有名になった7つの「レインボーキス」「アダムタッチ」
を用いた全身への愛撫、
クリトリスと性感スポットの愛撫、
6つの基本体位を駆使した交接のルービックキューブテクニック……
そうしたスローセックスのメソッドは
確かに私が開発しました。

しかし自分が研究し創造したという実感はありません。
古今東西の万巻の書物をあさって、
性の奥義を探求したわけでもなければ、
なにか特殊なトレーニングを
積んだわけでもではないからです。

女性たちの様々な反応を目の当たりにしながら、
「こうじゃないかな……」と思って実践しているうちに、
「何となくわかってしまった」
というのが正直なところです。
官能する無数の女性たちから教えてもらった、
というのが、私の率直な実感です。

私は、そんなスローセックスのメソッドに
普遍性があるのか──つまり、
誰がやっても女性を官能させうるものなのか──
「スローセックスの効果」を実証する必要性を感じました。
「アダム徳永」としての活動を開始し
初めて本を世に送り出したのが2003年のことでしたが、
それ以降も研鑽を重ね、
1000人以上の一般の女性とセックスをしました。

男性が聞いたら「羨ましい」と思うかもしれません。
とんでもありません。
私にとってそれは過酷な修業でした。

日々、4時間5時間かけて〝フルコース〟の
スローセックスを続けたのです。たとえるなら、
1000日間、毎日48キロの険しい山道を踏破する
千日回峰行の阿闍梨のようなものでした
。容易ではありません。
精根尽き果て、最後は肝臓の病気を患い、
死に直面したほどでした。

しかしその過程で私はセックスで
女性が快感に歓喜し絶叫する、
「最高の官能美」を見続けてきました。
女性の底なしのオーガズムを目の当たりにする度に、
男として嫉妬し、神さまに文句を言ったくらいです。

☆☆

明日に続く・・・

 

アダム徳永

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