★60歳からの人生は老いらくなのか
日付: 2015年05月23日
60歳を越えた男性のなかには
定年を迎えた途端、
「老いらくの人生」などといって
すべてを諦め、
精神的にも肉体的にも
急下降してしまう人がいます。
たとえ身体は健康でも、
それでは充実した生とはいえません。
日本人はとても精神性の高い国民です。
自分を律して努力を惜しまず、
常に切磋琢磨します。
だから物事の吸収も早く、
気配りがきいて、
仕事も丁寧。
何事にも真面目に取り組むから、
その分成長力も強いのです。
これまでは仕事に、
家庭に忙しくて、
自分の内面を見つめる時間が
持てなかったかもしれません。
人生を振り返る余裕もないままに、
慌しく過ごしてきたかもしれません。
でも60歳を越えた今は違います。
ゆっくり自分を見つめる余裕があります。
このチャンスを活かしてほしいのです。
60歳はまさに岐路に立っているのです。
この先右に行くか左に行くかの分岐点です。
人間と成長は切り離せません。
人はいつまでも成長の可能性を持った存在です。
そのために大事なのが理解する心、
受容する心、共感する心ですが、
他人の心情を察する能力は
なにより年齢を重ねることでアップします。
十代の若者と60歳とでは
察する力は比べ物になりません。
人生経験が豊かな分、
他者のつらい感情も受け入れることができます。
いろんなことを見聞きし、
感じる力が育っているからです。
これがまさに成長。
大人だってまだまだ成長するのです。
成長こそ生きる意義です。
これを放棄してしまっては、
生きているとはいえません。
岐路に立った60歳が進むべきは、
老いらくの人生ではありません。
死ぬ日まで凛とした精神力を持って
成長を続ける道なのです。
私はそのつもりで生きています。
アダム徳永